2002年1月10日 放送
本宮籐子(深津絵里)は、夜遅くまでポテチを食べながらワイン片手にテレビを見ている。
朝、目覚ましでやっとのことで起きる。一方、ルームメイトの春菜(矢田亜希子)はもう出勤の支度ができていて、「今日は学校がありますから」と言って、出かけていった。
籐子は今日も酒臭い息のまま出勤。禁酒の誓いを立てても、ついつい毎日、「明日から」と先送りしてしまう。
籐子の仕事は庶務課で雑用。会社でヒマしてる。
会社の廊下で、貫井(堤真一)の姿を見て、以前、籐子がクリエイティブにいた頃のことを思い出す。籐子はポスターの会社名を間違い、散々どなられていた。その後に通りかかった貫井が、「会社名を間違えたのは致命的だな。でも、デザインはいい」とフォローしてくれた。
今晩も籐子は同僚の須田真季(猫背椿)とワインを飲んでいる。「もう恋をすることなんてないのよね。いい男見ても、胸がときめくっていうよりか、鑑賞物よね」と籐子。
籐子は帰宅すると、散らかった部屋であぐらをかいて、アイスクリームを食べていた。そこに春菜が帰ってきて、「もう少しましにできないの?」と聞く。「昔はね....」と籐子。
春菜は司書の勉強をしていた。合コンのお誘いのメールが入る。
実は、春菜は籐子の元彼の妹。春菜が実家を出る時、独り暮らしに反対され、籐子と一緒に暮らすことにしたのだ。
籐子の悲劇は、30歳の誕生日に起きた.....
貫井は営業マンと対立し、「そんなに一人でやりたけりゃ、独立しろ!」との言葉に、「オレが独立したら、クライアントがごっそりついてくる!」と啖呵をきってしまう。
貫井は、即座に独立の準備を始める。
木村壮吾(坂口憲二)はまた、自分が広告マンであることをえさに、女の子をナンパしていた。そこに貫井が来て、重要な話があるからと、壮吾を連れ出す。
貫井は壮吾に、一緒に独立しないか?と誘う。自分達が組めば、強力だと。
壮吾は少し悩んだ後、条件を出す。女の子を雇ってほしい、ということだった。貫井はそこで引く抜く女の子は籐子だけだと言い、壮吾に籐子の引き抜きをさせる。
籐子は突然、あの『壮吾』から呼び出され、舞い上がる。最初おしとやかに「ウーロン茶でも」と言ってたのだが、勧められたビールを前にすると、一気のみしてしまった。それから関を切ったようにお酒を飲み始める。「控えようと思ったんですけど......」と籐子。「我慢するのは体に悪いっすよ」と壮吾。
その時から、籐子の悩みが始まる。春菜はもう一度輝くための転職を勧めるし、真季は30歳過ぎて人生かけて安定を捨てるなんて、と反対する。
荷物をまとめて、貫井と壮吾が車に積んでいるのを見た籐子は、貫井に励まされたときのこと、貫井の作品を思い出す。
ついに決意した籐子は、辞表を書く。そして春菜相手に、課長に慰留された時の断り方まで練習する。
翌日、辞表提出。課長にあっさりと受理され、ひと言も慰留の言葉はなかった。
その足で籐子は貫井企画に向かう。
だが、貫井は籐子を見るなり、「人違いだ」と言う。なんと、貫井は、秘書課の宮本曜子を引き抜こうとして、名前を間違えたのだった。「女の名前なんて、一々覚えてられないよ。雇う気なんてないから」と貫井。
「貫井さんは、仕事ができて、かっこいいって女の子に騒がれていましたけど、冷たいくって、自分勝手な人なんですね」と籐子。
その時、クライアントから電話が入り、籐子との話半ばで、貫井と壮吾は事務所を飛出していった。
元、貫井がユニバーサル広告社にいた時のクライアントだった会社が、次々と貫井との関係を切る。その中で、貫井が立て直したようなもののISFコンピュータだけは、最後まで味方してくれるという。
籐子は真季と自棄酒を飲む。
翌日、二日酔いのまま、籐子は貫井企画に出社。「断られても来ます。前の会社、辞めてきてしまったんですから、責任とってもらいますからね!」と籐子。
貫井と壮吾は、ISF向けの企画作成に忙殺されていた。電話が鳴っても出られない。暇にしていた籐子が出ると、近くの文具店の求人誌に載せる広告の作成依頼。貫井も壮吾も忙しくて、そんな小さな仕事はできない、という。
取りあえず籐子は文具店にロゴを貰いに行く。文具店の店主は、ロゴを渡しながら、「なるべく安くね」と頼む。
公園のベンチでお昼を食べね籐子の目の前に、ユニバーサル企画の社屋がそびえている。
籐子はダメモトで元課長に再就職できないかと相談し、あっさりと断られる。そこに吉武宣夫(西村雅彦)が通りかかり、どうにかしてあげよう、と言い、明日また来るように言う。そして、吉武は籐子に、「貫井企画はISFの契約も取れなくて、大変みたいだからナ」と付け足す。
貫井はISFで、「もう来なくていい」と言われる。
その夜、貫井と壮吾は屋上で貫井がデザインした缶の缶コーヒーを飲みながら、「貫井企画もこれで終わりだな」と貫井は言う。「企画が上手くいったときの踊りだしたくなるような嬉しさ、また、味わいたいな」と壮吾。「何年もそんな気分になっていない。ユニバーサルにいた時は、次から次へと仕事をこなして、質を下げてきた。大企業は給料良かったかもしれないが、オレは作品を作りたいんだ」
ロゴを渡しに来た籐子は、二人の会話を聞いてしまう。籐子は「ユニバーサル広告社に戻りますので」と言って、ロゴを壮吾に渡す。だが、貫井は、「もう貫井企画は終わりだ」という。籐子は、「引受けた仕事は、どんなに小さくても、最後までやりとげてください!」という。「あんた、ユニバーサルに戻って、よかったよ」と貫井。
籐子の30歳の誕生日にあったことを、真季は聞き飽きていたが、春菜には初めてだった。
籐子は30歳の誕生日に風邪を引いて、寝ていた。鼻が出て、かんだ紙を一々捨てるのも面倒だったので、枕元に丸めていた。それがたまったので、捨てようと、ごみ箱めがけて投げたら、ごみ箱をひっくり返して、ごみが散乱し、それ以来、すべてが散らかり始めた。
翌日、籐子は吉武を訪ねる。吉武は再就職に必要な書類をとってくると言って、籐子に待っているように言う。その間に吉武の席の電話が鳴り、みんな手いっぱいのため、籐子が出ると、ISF社からで、伝言を頼むといわれる。『貫井企画の件、吉武さんのおっしゃるとおり、切りました』という内容。
籐子はユニバーサル社を飛出す。吉武は席に戻り、伝言を読むと、忌々しげな顔をする。
翌朝籐子は、「遅くなって済みません!」と貫井企画に出社する。「やめたんじゃ?」と壮吾。「一度辞めたところに戻れるわけないじゃないですか!」と籐子。「貫井企画はもう終わりだ」と貫井。「終わりなんて言って、まだ、始まってもいないじゃないですか!」と籐子。
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