2010年06月23日放映
「もう一回誘拐して」と頼む継美(=道木怜南)(芦田愛菜)。その答えに戸惑っていた鈴原奈緒(松雪泰子)だったが、途中で電話が切れてしまう。
進行していく病に耐える望月葉菜(田中裕子)は、弱さも見せずに死を受け止めていた。小さかった奈緒(松雪泰子)を連れて、各地を転々と逃げ回った葉菜の過去。しかし、いつ警察に捕まるかよりも、奈緒と一緒に逃げていたあの時期が今となっては楽しい思い出となっていた。そんな葉菜があと2、3日の命だと知った奈緒は葉菜を自宅へ連れ帰り、わずかな時間を親子水入らずで過ごすことにするのだった。
葉菜(田中裕子)が夫を殺害した事件を調べていた藤吉駿輔(山本耕史)。しかし、葉菜の性格からカッとなって就寝中の夫がいる家に火をつけたという供述を信じてはいなかった。
葉菜(田中裕子)と過ごしていた奈緒(松雪泰子)の前に継美(芦田愛菜)が現れる。知人から送られてきた生活必需品から現金を見つけた継美は、そのお金で室蘭から東京へやって来たのだ。小学生の継美が一人で室蘭から来たという危険な行動に驚いて叱る奈緒。そんな奈緒を見た継美は嫌われたのかと思い、泣きながら「嬉しくないの?」と尋ねた。その言葉で奈緒はやっと継美の気持ちに気が付き、抱きしめるのだった。
継美(芦田愛菜)をこのままにしておくわけにいかない奈緒(松雪泰子)は、駿輔(山本耕史)に相談する。「今日一晩泊めて、明日には養護施設へ送り届ける」と言う奈緒に、事が大きくなることを心配する駿輔。しかし、駿輔の興味は葉菜(田中裕子)の過去に向かっており、見舞いに行くふりをして、夫を殺した時の話を聞き出そうとした。「守りたいものがあった。だから口を閉ざしたんじゃないですか?母性による事件だったのでは?」と尋ねる駿輔に、葉菜は冷たく「幻想です」と一蹴する。
鈴原籐子(高畑淳子)、鈴原芽衣(酒井若菜)、鈴原果歩(倉科カナ)達が葉菜(田中裕子)の見舞いに訪れた。奈緒(松雪泰子)や継美(芦田愛菜)も加わって女ばかりで楽しく話の花を咲かせ合う中、みんなで1枚の写真を撮るのだった。
3人が帰った後、葉菜(田中裕子)は継美(芦田愛菜)と奈緒(松雪泰子)の髪を切りそろえることに。継美を明日施設へ帰すと決心した奈緒だったが、何もしてあげられないまま継美を帰すことに戸惑っていた。そんな奈緒に葉菜は、「継美と奈緒の関係は継美が大人になってから分かること、そして自分と奈緒が30年かかって再び巡り会えたようにきっと巡り会える」と勇気付ける。そしてその夜、眠りについた葉菜は、遠い昔に奈緒の手を握り、「お母さんの為にしてくれたのね。忘れなさい」と家に火を放った奈緒に言い聞かせていた自分を思い浮かべるのだった。
翌朝、芽衣(酒井若菜)が出産したとの連絡を受けた頃、葉菜(田中裕子)はすでに息絶えていた。葉菜の亡骸の横で、奈緒(松雪泰子)に「室蘭へ送って行く」と言われた継美(芦田愛菜)は、奈緒が自分のことを嫌いになったのだと思い傷付く。すると奈緒は、「お母さんを辞めたりしない。離れていても継美のお母さんよ。そうしたら会える日が来る、お母さんがお母さんに会えたように。継美が大人になったら会える」と泣く継美を強く抱きしめた。しかし「大人になったら顔や背が変わって気がつくわけがない」と嫌がる継美。そんな継美に、奈緒は強い口調で「必ず見つける」と涙を滲ませるのだった。
葉菜(田中裕子)を籐子(高畑淳子)に任せ、室蘭に着いた奈緒(松雪泰子)と継美(芦田愛菜)。バス停に降り立った2人は、ゆっくりと施設の方向へ歩いていた。途中で学校の友達親子に会った奈緒と継美は、ろくな別れも出来ないままそれぞれ違う方向へ歩き出す。しかし、奈緒は渡しそびれた手紙を持って継美の後を追うのだった。
継美(芦田愛菜)を見つけた奈緒(松雪泰子)は、悲しい顔でなく笑顔で別れようと声をかける。悲しい顔をしている奈緒に、継美は好きなものの話をすれば元気になれるからと言って好きなものをお互いに言い合い始めた。そして「お母さん」「継美」とお互いの名前を呼び合い強く抱きしめ合う継美と奈緒。「二十歳になったら読んで」と言って葉菜(田中裕子)が継美の為に編んだ水色の袋の中に手紙を入れた奈緒は、笑顔で施設へ向かう継美の後姿を見えなくなるまで見送った。
奈緒(松雪泰子)が渡した手紙は、12年後の継美(芦田愛菜)に宛てた手紙だった。奈緒が継美の母親になると決めなければ葉菜(田中裕子)と出会うことはなかったし、最後の最後に葉菜と親子として過ごせる時間を持てなかった。渡り鳥が海を越えることが出来るのは親鳥と一緒に海を越えた経験があるからこそ大海を迷わず越えられる…出会ったことが運命なら、再び導きあって巡り会えると信じる奈緒。強がりではなく、素直に継美と出会える明日を待ち焦がれる奈緒にとって、継美との再会はこれからの宝箱だった。
奈緒(松雪泰子)が赤いポストを覗き込む継美(芦田愛菜)を見つけた12年前の冬の寒い夜。継美は喫茶店の中に奈緒の姿を見つけ同じテーブルに座ってクリームソーダを注文した。そして今、その喫茶店のテーブルには2つのクリームソーダ、葉菜(田中裕子)を囲んで撮った1枚の写真、そしてしっかりと握り合う手があった。
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