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Wednesday, February 16, 2011

恋の力-第4話

2002年1月31日 放送

広小路製薬の仕事が決まり、貫井と木村は精力的に活動をし始める。ところが、籐子が手がけた楠木文具から求人広告の反応がない、と苦情を入れられ、顧客(クライアント)を管理できる営業マンが必要ということになった。一方、ユニバーサル広告の吉武は広小路製薬の仕事を貫井企画に取られたため、会社での立場が厳しくなった。 貫井企画の営業担当はなかなか決まらないが、籐子は吉武(西村雅彦)を推薦する。吉武は貫井を嫌っているため、貫井も木村も大反対。籐子は責任を持って吉武を誘うことになったが、吉武は一蹴する。ところが・・・

不満を聞くだけで顧客の不満はある程度解消する。時間がもったいないが、籐子あたりが不満を聞いてあげる。楠木社長は誰かに不満を言いたかっただけかもしれない。それをいい加減な対応をすれば、逆恨みされかねない。ただし、楠木社長が具体的に言及した損害賠償に関しては、契約書を持ち出して貫井企画が応じる必要がないことを説明し、それでも納得してもらえなければ、弁護士から言ってもらう。

自分がユニバーサル広告にいてできなかったこと、家庭への責任があって思い切れなかったこと、やりたい仕事をやる、ということをいとも簡単に独立して達成した貫井に対して、うらやましさや悔しさを感じ、それが可愛さ余ってにくさ100倍になったのであろう。須田真季が籐子に「あの娘(なぎさ)は私たちが失ったものを全部持っている。それもごく当たり前のように思って。」と言い、それでなぎさを叩こうと籐子へ持ちかけていたが、吉武も真季と似たような感情を貫井に持っていたのであろう。加えて、ユニバーサル広告が会社として貫井企画を潰そうとしているため、吉武個人の問題としてだけでなく、会社人としても貫井企画を叩くことがメリットになった。

ユニバーサル在職時代に貫井は吉武をもっとも信頼していた営業マンだったということを貫井から聞いていた。吉武が貫井の才能をもっともよく知り、貫井をうまく売り込める優秀な営業マンであると、籐子が思っている。吉武が貫井企画へ転職するための問題、吉武が貫井を潰そうとしていること、経済的裏づけ、に関しては、吉武は貫井と一緒にやりたい仕事を思う存分やりたがっている本心があるため、説得次第で解決できると、籐子は考えていたのであろう。

ユニバーサル広告では、吉武にとって貫井は金の稼げるクリエイターとして、頼れる存在で、互いに尊敬し合っていた。しかし、貫井が自分への相談はおろか、まもとな挨拶もなしにユニバーサル広告を飛び出したことで、自分が裏切られたような気がした。独立の際に何も言ってくれなかった貫井に対して寂しくもあった。何のしがらみもなく、自分の実力を信じて独立した貫井を羨ましく思い、嫉妬心すらあった。加えて上司から、会社の方針で貫井企画に仕事をさせないようにしろ、と命令され、貫井に対する思いは憎しみに近いものになった。そんな状況で、一度元の職場へ復帰に関して裏切られた籐子から、倒産の可能性もある貫井企画への転職を打診された。ふざけるな、という気持ちと、なんで俺に、という疑問があったであろう。しかし、吉武の気持ちに、貫井企画への転職が心にひっかかった。貫井企画へ転職すれば、貫井のように自分の思うような仕事ができるかもしれない。広小路製薬の仕事を見れば、貫井の実力は一流で、そんな男と組んで再び仕事をしてみたい。一方、収入は下がるし、倒産するかもしれない。今まで自分が貫井に行ってきた仕打ちを手のひらを返したように転職するなんて、プライドが許さない。吉武も悩んだろう。吉武はうじうじと悩み、貫井に嫉妬する自分に踏ん切りをつけ、転職した。

貫井は吉武には厳しい仕打ちを受けたものの、吉武の能力を知っているだけに、経営が厳しい貫井企画へ来てくれたことに感謝している。籐子は吉武の転職を進めていたので、やっぱり転職してくれたと喜んでいる。木村は吉武と面識がなく、貫井から吉武の営業妨害などを聞いていただけに、なんでこんな奴がうちに来るんだ?という疑問と裏があるんじゃないか?という不信。そして、俺たちを潰そうとした奴と一緒に働きたくない、という感情を持っている。

ポジティブな面に関しては、弱かった営業面の強化が図れ、顧客の獲得と売り上げの増加を期待できる。貫井と木村は顧客管理といった面倒な仕事から開放され、自分のやりたい広告制作にだけ集中でき、より良い仕事ができるであろう。ネガティブな面として、貫井企画のチームワークの乱れ、ユニバーサル広告からのいっそうの妨害、人件費の増加などが予想される。やっと貫井と木村が籐子を仕事仲間として認め、貫井企画の組織としてのまとまりができた。また、年齢や感性が比較的近いこともあって、仕事以外でも仲が良い。3人は創業時からの仲間である。そこに木村が嫌っている、年齢も40代と離れ、営業という広告制作とは違う仕事の価値観を持つ吉武が入ってきて、会社のチームワークが乱れる懸念がある。また、吉武が貫井企画の中で浮いたり、クリエイターたちと対立するかもしれない。吉武も貫井と同様に短期間でユニバーサル辞めているようなので、円満退職とは考えにくい。今まで以上にユニバーサル広告が貫井企画の営業妨害をする可能性は高い。吉武の雇用条件はわからないが、少なくとも木村よりは高い給与であろう。そのため、広小路製薬の仕事で一息ついたとはいえ、貫井企画の経営状況は悪い。そこへ、高給取りの吉武が入社すれば、人件費の増加による資金繰りが心配である。

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