2010年04月14日放映
北海道のとある町。大学で渡り鳥の研究をしていた鈴原奈緒(松雪泰子)は、研究室が閉鎖してしまった為小学校の教員をすることに。臨時で1年生の担任を任された奈緒は、風変わりな生徒・道木怜南(芦田愛菜)と出会う。聞いた話では、父親を亡くしてから怜南は変わった行動をとっているとのことだった。好きな研究が続けられなくなった奈緒にとって、教師という仕事は生活の糧を得るためだけのもので、生徒達と関わり合いになることすら拒んでいた。知らず知らずのうちに今の生活のストレスから頭に小さなハゲが出来ていた奈緒。それを知っていた怜南はハゲを隠せるようにと毛糸の帽子を手渡した。
藤吉健輔(田中実)から研究室に誘われた奈緒(松雪泰子)。その帰り道、郵便ポストの口を執拗に触る怜南(芦田愛菜)を見かける。その後、怜南も奈緒の姿を見つけ、奈緒が食事している喫茶店に入ってくる。屈託のない笑顔で握り締めた500円玉でクリームソーダを注文し、好きなものをずっと考えればハゲが治るよと笑うのだった。
奈緒(松雪泰子)が家まで送るという言葉を聞かずに怜南(芦田愛菜)は1人で家へ帰るのだが、玄関に男物の靴を見つけてその場に立ち尽くす。
学校では怜南(芦田愛菜)を心配する1人の教師が、体重が少ない上にアザや傷がある怜南の体から虐待が行われているのではと疑っていた。子供に関して興味がない奈緒(松雪泰子)だったが、翌日学校を休んだ怜南の家へ向かう。そこには目に眼帯をする怜南がいたが、母親の道木仁美(尾野真千子)はぶっきらぼうに「良く転ぶから」だとごまかすだけだった。児童相談所や学校は虐待を心配するよりも、虐待じゃなかった時のことを考えて全く関心を示さず、奈緒もその考えに賛成する1人だった。
家では仁美(尾野真千子)とその愛人・浦上真人(綾野剛)から虐待を受け続ける怜南(芦田愛菜)。またいつものように500円を受け取って外で夕食を食べに出かけた怜南は、郵便ポストの口を触り続けていた。その姿を再び見かけた奈緒(松雪泰子)は、自分の家へ連れて帰り、食事を作って食べさせる。屈託なく質問を繰り返す怜南に、ついつい奈緒は自分の母親が嫌いだと言ってしまう。
渡り鳥の話を始めた奈緒(松雪泰子)の横で嬉しそうに聞く怜南(芦田愛菜)だったが、奈緒からの連絡で来た先生に連れられて家へと帰っていく。
研究室が決まり小学校を辞めることになった奈緒(松雪泰子)は、感情を押し殺すように怜南(芦田愛菜)を冷たくあしらう。寂しく1人家に帰った怜南は、大切にしていたハムスターが真人(綾野剛)に殺されてしまったことを知り、悲しみに心がくじけそうになるが、堪えている心を隠すかのように微笑んだ。
真人(綾野剛)から虐待を受けていた怜南(芦田愛菜)は、ドレスを無理矢理着せられて口紅を塗られていた。好きなものを思い浮かべることだけで虐待に耐え続ける怜南。しかし、その現場を見た仁美(尾野真千子)は、真人を娘に取られると思い、怜南を叩きつけゴミ袋に入れて家から出て行ってしまう。怜南を心配した奈緒(松雪泰子)は、ゴミ置き場に放置された怜南を発見し、家に連れて帰り介抱をする。「札幌にある"赤ちゃんポスト"へ行きたい」と訴える怜南。その言葉を聞いた奈緒は、怜南が郵便ポストを執拗に見ていた理由を知って愕然とするのだった。
翌日、海へ来た奈緒(松雪泰子)と怜南(芦田愛菜)。海を渡って行く渡り鳥に向かい、「怜南も連れてって」と叫ぶ怜南を見た奈緒はある決意をする。「私、あなたを誘拐しようと思う。私はあなたのお母さんになろうと思う」と怜南に語りかける奈緒。その言葉に怜南は押し殺していた今までの辛さを解放したかのように「お母さん」と言ってしっかりと抱きつくのだった。
4月1日。漁港で遊ぶ怜南(芦田愛菜)の姿が消えた為、漁師達は海へ落ちたと思い消防隊や救急車が出動する。
少し離れた駅に奈緒(松雪泰子)と男の子の格好をした怜南(芦田愛菜)の姿があった。運悪く健輔(田中実)の弟で新聞記者の藤吉駿輔(山本耕史)と出会ってしまった奈緒だったが、遠くで「お母さん」と呼ぶ怜南の声を聞いて走り寄る。列車に乗り込んだ奈緒は、怜南に継美(つぐみ)と名付け、しっかりと互いの手を握り合った。その頃、海に落ちていた怜南のマフラーを見た仁美(尾野真千子)は、娘のものだと取り乱す様子もなく冷たく呟くのだった。
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